合併に伴う経営基盤の強化
南越森林組合は、21世紀を展望した新たな組織の構築を行い、県内ほぼ中央に位置する鯖江市、今立町の恵み豊かな森林と魅力ある山林の創造を目的に、平成8年9月1日、2つの森林組合が合併して誕生しました。
そしていま着実な足取りで、多角的機能を備えた森林組合として組合員の付託に応えるべく、積極的な事業推進に取組んでいます。
人手をかけない山林は、いつか荒廃するもの。雪害、凍害、干害、病虫獣害等によって枯れた樹木を放置すると、土砂流出などの思わぬ二次災害をも誘発します。
また、公益的機能を十分に発揮させるためにも、適期の間伐や各種の保育等の森林管理は重要です。千年の森構想に若手林業労働力は欠かせない存在。美林の形成、自然を次世代へつなげる橋渡し役として、彼らのパワーに期待がもたれます。
合併前の森林組合雇用作業員数は、鯖江市7名、今立町31名でしたが、年齢構成をみてみると60歳以上の就業者が86.8%(平成7年度森林組合統計)を占めており、県内でも非常に高齢化が進行していた事業体でした。
合併を契機に、作業班員の減少・高齢化の現状認識と今後の推移状況を検討し、事業の多角的展開を図るうえではパワーあふれる若手の計画的採用が不可欠であることから、現業職員制度を導入。森林整備支援センターの委託募集により、平成10年より1〜2名程度採用しながら若返りを図ってきました。他産業と比較して遅れている機械化への対応を考え、また、新入職員への林業のノウハウ習得のために定年を迎えた元班長を専任指導者に任命し、森林施業士(林業技術者)の養成に力を注いでいるところです。今後も年間2名程度の通年雇用者の採用を計画しています。
(事業確保の取組み)
多雪地帯である県内森林組合の冬季間の事業については、一部の事業体がスキー場等の委託管理を実施し通年雇用を行っていますが、依然として事業の確保は困難な状況にあります。
南越森林組合では、県外(無降雪地区)森林組合との業務提携による労働力の派遣等により、森林整備関係事業を請け負うことで、降雪期間の事業量を確保し、通年雇用体制を確立してきました。
近年では林業構造改革等を利用し、木酢液・木竹炭を生産。河川の汚染浄化に活用しています。また、シイタケ栽培などを手がけるとともに行政とのタイアップを図りながら木工施設を利用した事業展開など、地元における多角化へ向けた取組みについて積極的に検討しているところです。
木竹炭・木酢液生産施設
木竹炭による河川汚染浄化
(事業地の集団化・低コスト施業の取組み)
施業実施にあたっては、座談会等を頻繁に開催し、組合員とのコミュニケーションを図りながら、森林組合事業に対する理解を深め、集落単位でモデル林的に設定し、隣接森林等の集団化を図り、枝打ち、間伐等の施業の集約化によるコスト低減に努めています。
福井県は、他県に比べ造林事業に着手した時期が遅れたこともあって人工林の森林蓄積は少なく、未熟な間伐対象林分が多いところですが、当地区は旧来から河和田杉の生産地として林業が盛んであったこともあり、100年を越える優良大径木も存在し、素材供給基地としての機能を十分に果たし得ることから、この貴重な森林資源を活用した林産事業の更なる拡大、若手の林業従事者の育成、高性能林業機械の充実等を図り、施業集約化を最優先に考える経営を目指して行きます。
南越森林組合の所在地今立町では、八ツ杉森林学習センターを設立して自然とふれあう環境を提供するとともに、京都で開催された地球温暖化防止会議以降、森林が酸素の供給源となる大気製造機能や二酸化炭素の吸着固定機能をもつ炭素の巨大貯蔵施設として大きく取り上げられたことから、地球環境の維持・保全を考慮したバイオマスエネルギーの研究や永久でクリーンな太陽光発電システムを稼動させるなど各種の実験活動を進めています。
また、間伐材の有効活用と環境問題並びに森の本来もっている燃料資源としての能力を活用することをテーマとして、木炭自動車を開発しました。この木炭自動車は、ガス発生装置内で可燃ガスを生産し、それを燃料として原動機を駆動させるシステムで、排気ガスは、再び森林に取り入れられるという循環機能(リサイクル)によって、環境保全につながります。このようなさまざまな取組みを通じて南越森林組合は21世紀を目指した"千年の森づくり"に参加しています。
モデル林
木炭車
八ツ杉千年の森
八ツ杉森林学習センター
太陽光発電システム
チップを敷き詰めた遊歩道
南越森林組合
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