吉田郡森林組合は、平成7年8月1日吉田郡管内(旧松岡町、旧永平寺町、旧上志比村)の3つの森林組合が合併して誕生しました。 福井市内の東部で九頭竜川を挟んで南北に位置しており、近年降雪量は減少ぎみながら湿った重い雪との戦いを続け、農地と共存する典型的な里山林業地帯です。 おいしいコシヒカリの稲作には、きれいな谷水の供給が必要条件と云われています。当森林組合員の殆どが農地と共有して米作りに励んでいることから森林の多面的な機能の拡充を計っていくことが極めて大切です。
今、付近の森林はマツクイムシ被害で松は殆ど全滅状態にあり、ナラ類はカシノナガキクイムシによる枯損被害が拡大傾向にあります。加えて拡大造林地は山離れ現象の象徴とも言える間伐、枝打の遅れが目立つことへの対策として、林家と行政との協力を得て間伐、枝打を積極的に促進することを重点的に実施し、併せて保育に意欲があって地形が許せば軽四輪車が通行可能な軽作業路(幅1.0m程)の開設を推進しています。
長期的には谷筋付近の礫質土壌の地質で地下水が豊富な林地(大本山永平寺の山林を始めとする一部の地域)にアカケヤキと杉の混淆林の育成を試行しています。
アカケヤキは谷筋の地下水の豊富な場所では 伸びが良好である。(平成10年植栽)
先般の新聞報道によれば、京都の清水寺では将来の建て替えに備えてケヤキの植林が始められました。古い名刹の多くでは主要な部材は天然桧かアカケヤキが用いられているのは周知の通りで、長年にわたって耐久性があり、木目の素晴らしさが重宝されています。ケヤキの根は、きれいな酸素(水)を求めて無限に成長する証として知られ、谷筋の地下水の豊富な場所に多く自生していますが、こうしたことは谷間の土石の安定に大きく貢献しています。
また、海抜500m以上の尾根筋周辺ではブナ林の育成のために苗木作りを僅かながら始めています。
ブナの新芽は春と夏(7月)に紅い新芽が 伸びることがある。
杉木立ちに囲まれた曹洞宗 大本山 永平寺
当地域を代表する重要な文化財として曹洞宗大本山永平寺がある。 七堂伽藍を中心とした寺の境内は、スギ、ブナ、ケヤキ等の古木に囲まれ、必ずやこの地を訪れる全国各地からの信者を始め多くの人々の心を洗い浄めてくれるものと思われます。
永平寺を語るときに忘れてならないことは、永平寺開山以前の曹洞宗本山として旧上志比村に吉峰寺があります。道元が入越して最初の座禅道場として、吉峰寺から大佛寺跡を経て永平寺に至る登山道は、道元が通られた道ということから「祖跡コース」と名付けられており、多くの雲水等に修行場所として利用されています。
学術面からとくに注目するところとして、松岡町内に国立福井医科大学、福井県立大学と、二つの大学があります。
国立福井医科大学は、医学部と付属病院が一体となっており、福井県の医療機関の中枢を担っていますし、福井県立大学は、経済学部・生物資源学部・看護学部を開講しており、高度な産業教育と最新の学術研究の拠点となっています。
歴史をひもとくと、3世紀から5世紀にかけて「越王国」の都があったとされ、九頭竜川沿いの南方の山々の永平寺町から福井市の原目山にかけて約150基の古墳群があり、その内、旧松岡町には約50基もありこれを松岡古墳群と称しています。
主なものとしては、手操ケ城山古墳、二本松山古墳、石舟山古墳、乃木山古墳、春日山古墳等があります。旧松岡町古墳群には、50m以上の大型古墳が6基点在しまし貴重な出土品が数多く発見され、これらを結ぶハイキングコースは愛好家に親しまれています。
森林空間を利用したレクリエーションの場として「浄法寺山青年少年旅行村」があります。標高500mの山腹に、多彩な施設が設けられた自然の楽園です。
以上のように、当森林組合は県都福井市隣接しており、殆どの林家は農地も共有し、米作りも行う兼業農家であり、里山地帯の山林や扇状地的地形の農耕地の特色を生かした特産品の創出を目指し、地域の生活に密着した森林組合を運営していきたいと考えています。
本県を代表する食材として、中央部を流れる九頭竜川のアユやアラレガコが有名です。豊かな自然と山の頂に源を発する清流は芳しい魚介類を育て、夏場のアユ釣りシーズンには県内の愛好家で広い川面が人で溢れるようになります。
大本山永平寺の開祖道元の750回忌に訪れる遠来の客の喉を潤す精進料理の顔としては「永平寺ごま豆腐」が有名です。また、誰の口にもあう「永平寺そば」も忘れられません。
今まで各家庭の手作りとして親しまれてきた「すしの葉ずし」を近年地域の特産品にと取り組んできています。すしを包む葉っぱは、「油桐の葉」です。この木は当地域に最も適した林木の一つです。昔は、傘やローソク油に珍重されました。すしのネタはアユやマス等を使い、冷たい谷水で育てられたおいしいコシヒカリを使ったすしの味は格別です。
吉田郡森林組合
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